※本事業は「日本歯科大学 新潟生命歯学部 食育・健康科学講座」の監修の元、行われました。

■ 桑の歴史

桑は、「医心方 -984年」「喫茶養生記-1211年」などの古書に、「水をいくら飲んでものどの渇きを覚える飲水病(現代の糖尿病)に、3~5日で必ず験あり」と記されています。ほぼ日本全土に自生し、カイコの餌として古来重要な作物でありました。また「くわばら、くわばら」と言った雷除けのまじないや、童謡「赤とんぼ」に「山の畑の桑の実を・・・」とあるように、かつては桑畑が見慣れた景色で、地図に桑畑の記号が数多く見られた程に、桑は私たちの生活に根付いていました。近年は果樹として、その実はジャムや果実酒として利用されています。また桑の葉の有効成分が再認識されるなどして、改めて桑の価値が見直されています。

■ 桑の栄養成分

桑の葉の栄養成分は、緑黄色野菜の王者と呼ばれる「ケール」に比べても、はるかに栄養成分は高いものです。・・・(左表参照)

近年の研究では、桑の葉に1-デオキシノジリマイシン(1-deoxynojirimycin;DNJ)が含まれていることが明らかになりました。DNJは血糖値の上昇を抑える効果があると言われます。

ミネラルや食物繊維が豊富な桑の葉は、乾燥→粉末化することで、他の食材との調理方法が無限にひろがります。正に現代の野菜の救世主です。

 

■ スーパーフーズ「桑の葉パウダー」

微粉末化された「桑の葉パウダー」は、他のいろいろな食材と馴染みも良く、手軽な飲料・トッピングからお料理・製麺・製パン・製菓にと用途は無限に広がり、「桑の葉」有効成分が本来の食材(お料理等)に隈なく付加します。「桑の葉パウダー」が「スーパー フーズ」と云われる所以です。

■ 桑うどん開発の経緯


歯科診療のなかに高齢者への訪問診療があります。口腔管理を行い、しっかりと食事を食べることを目的とするものです。

高齢者になると、誤嚥が問題視され、麺類を食べることが少なくなります。訪問診療中に「ラーメン、うどんを食べたい。そうめんが食べたい。」とお聞きします。数年前まで、誤嚥性肺炎が死亡原因第3位でした。そこで、誤嚥しにくく、健康にいい麺の開発が始まったのです。 

誤嚥しないように咀嚼を行い、GI値を考え、栄養成分を付加した健康に役立つ麺、それが、今回監修した「桑うどん」です。消費期限も1年と長く、災害や感染症対策で思うように外出ができない現代では、「ローリングストック」としても保存活用ができます。

 

 ・・・・・中野智子:日本歯科大学 新潟生命歯学部 食育・健康科学講座 客員教授 / / /

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